6.前へ

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微笑む彼の腕に触れた。 「平気……陸は大事な時でしょ。行って?」 「………でも……」 「行って。お願い。寝てれば治るから。」 「う~ん………」 休めないって分かってるクセに。捜査が気になって仕方がないクセに。 私は無理矢理笑って彼のうなじに手を回す。 「居てくれても逆に気になるもん。ひとりで静かに寝てるから。ね?」 ウソをついた。 彼の仕事はとても大事なものだから。 陸に寄り掛かってばかりではいけないと思ったから。 本当は片時も離れたくないのに。 彼が拗ねたように見詰める。その顔が可愛くて笑った。 「………大丈夫…………行ってらっしゃい。」 「……ちゃんと寝てるんだぞ?」 頷く。
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