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微笑む彼の腕に触れた。
「平気……陸は大事な時でしょ。行って?」
「………でも……」
「行って。お願い。寝てれば治るから。」
「う~ん………」
休めないって分かってるクセに。捜査が気になって仕方がないクセに。
私は無理矢理笑って彼のうなじに手を回す。
「居てくれても逆に気になるもん。ひとりで静かに寝てるから。ね?」
ウソをついた。
彼の仕事はとても大事なものだから。
陸に寄り掛かってばかりではいけないと思ったから。
本当は片時も離れたくないのに。
彼が拗ねたように見詰める。その顔が可愛くて笑った。
「………大丈夫…………行ってらっしゃい。」
「……ちゃんと寝てるんだぞ?」
頷く。
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