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「何かあったらすぐに電話するんだぞ?」
「うん。」
「晩飯、買ってきてやるからな。」
「ありがとう。」
「途中で電話するから!」
「しなくて良い。行きなさい!」
陸のしつこさが可笑しくて笑いながら怒った私に安心したのか、彼も笑って寝室を出て行った。
洗面所で歯を磨いて顔を洗い髪を整える。
靴下を履いてスーツを纏う。
私は枕に頭を落としたまま、気配で彼の仕草を追っていた。
「じゃあ行ってくる。」
彼が再びドアから顔を覗かせて微笑んだ。私も笑って手を振る。
「行ってらっしゃい。」
玄関の鍵が閉められた。
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