6.前へ

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流行には遅れがちな私が目を着けるほどの店だから、当たり前のように女の子たちが並んでいた。 陸はそこで衆目を集めた。 私たちが並ぶと“チラチラ見る”から始まって、小声で『芸能人?モデル?』とザワつきだす。 彼はいつの間にか店の内外から女性の熱い眼差しを一身に受けていた。 「……く、日下部様!?」 店から慌てた様子で出て来た男性は黒服をビシッと着こなしたいかにもオーナー。 顔を上げた陸が微笑んだ。 「あれっ?小坂さん?どしたのそんなカッコして?」 「いや、あの…日下部様はどうして……」 「やだなぁ小坂さん。そんな喋り方やめてって言ったじゃん?ラフにいこうよ。」 「あ、え、ええ………それで……ここで何を?」 「え?並んでんだよ?彼女がここの料理を食べてみたいんだって。」 「あ!そうなんですか!?仰って下さればよろしいのに!」 この会話の最中に陸が私に微笑み私はオーナーに頭を下げた。 小坂さんと呼ばれた男性は私に笑顔を向けると店内にいた従業員に手招きをする。
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