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どんなに願っても
戻れないあの日がある
どんなに悔やんでも
消せない失敗がある
どんなに許しを乞うても
取り戻せない信頼がある
置き去りにした過去たちは
9回裏でエラーしたボールのように
いつだって僕らの心を責め立てる
「だけど、変わりたいんだ」
突然、君が告げた
「無理にきまってんだろ」
僕は、胸が苦しくなった
自分ごと置き去りにされそうで
不安という名の怪物が、くっきりと形をあらわした
「それでも、始めようと思うんだ」
小さく、けれども強く、頷いた君
僕は無言で見送った
そうすることで引き止められる気がした
「さよなら」
澄んだ声を響かせて
君は軽やかに走り出した
スタートラインにさえ並べなかったけれど
一度だけ、振り返ってくれた君の
あの笑顔の意味を
僕はいつまでも、問い続けるだろう
怪物たちと寄り添いながら
さよならが似合う、この街で
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