一時間目 ―隠れ鬼―

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俺たち小学生クラブは、少年少女だったあの時の、夏の日差しにも負けない燃え盛る気持ちを忘れない。 「なるほど。今週の参加メンバーはこのようになったか。」 男の一言で、桜舞い散る公園のグラウンドからは声が消え去る。 最高点に達した太陽の光と静寂に包まれたグラウンドには闘気を剥き出しにした戦士が立ち並んでいる。 遊具で遊ぶ子どもも、ベンチに座るおじいちゃんおばあちゃんも 戦士たちの気迫にただ、固唾を呑むしかなった。 「部長よぉ! 今日はどんな戦いをしようって言うんだい?」 沈黙を破ったのは田中だ。 小学生の頃から年がら年中半袖半ズボン。 給食は必ずおかわり。 現在、若干23歳、典型的なデブキャラだ。 田中はニタニタと笑いながら 凍てついた戦場の空気をかき乱す。
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