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縁
「また今年も一緒のクラス~?」
廊下に貼り出されたクラス割を見た瞬間、隣からそう声をかけられた。
クラスメイトの高田柚稀だ。
小学校に入学してから中二まで、ずっと同じクラスだった女子は、どうやら今年も一緒らしい。
「なんだろうね、この腐れ縁」
それが、いつからかの柚稀の口癖だ。
まあ確かに、九年一緒なのは縁だよな。
でも多分、この縁はさらに続く。…何故なら。
「来年、志望校に受かったら、やっぱりアンタとは同じクラスになりそいだよね」
去年の進路指導の後、偶然にも、目指す高校が同じだと知った。
この一年、気を引き締めて挑めば、二人共合格できるだろうと言われている。
そりゃ頑張るさ。行きたい学校だし、せっかくの縁を切りたくないし…できたら一生この縁が続いてほしいし。
「とりあえず、また一年、よろしく」
笑顔におうと返す。
小一からのこのやりとりが、この先も末永く続きますように。
縁…完
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