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2 「おじゃましまーす」 キャリーバッグを玄関に置き中から小さな黒のトートバッグを取り出して、アリスは成澤家に入る。 アリスは当然の様に、バッグから取り出した、白短毛の猫を模したカチューシャを装着する。 「あの、用件を先に言って下さい。それと、変なカチューシャは恥ずかしくないんですか?」 アリスを居間に通しコーヒーを出した後、人工繊維で製造された、白猫の耳を模したカチューシャへ祐子は指さす。 「えー、でもでもこれつけないとアリスははぐれ猫神、まーにゃんから推理パワーを貰えなくてー」 「はあ?」祐子はこの変哲きわまりない客人を図らずも招き入れてしまった事に後悔していた。  「まーにゃんの手助けで、アリスはいろんな知恵を拝借して事件を解決してるので……あ、でも今回はプライベートだから別にいいか。すいません」と、ためらいなくカチューシャをバッグにしまう。 「あの、一体なにがどうなってるの?いきなり神だとか、まるっきりファンタジーじゃ」 アリスは先ほどの様子とはうって変わって事務的に淡々と語る。 「キャラ付けの一環です、一人立ちして成り上がっていく為にはなりふり構ってられないんです。まあ気にしないで下さい。腕はありますから……それにキャラ付けなら成澤さんもしていたでしょう?」 「うっ」
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