ゲーム終了――その後

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   やっぱり、あの噂は本当だったのか。 「まあ、君がその値段を知ることはないだろうけど」  そう言って顎を放すと立ち上がり、背中を向けた。 「ち……」  腹の底から掠れた声が洩れ、ふつふつと沸き上がる感情を抑えようと、噛み締めた歯がギリッと鳴る。 「畜生ぉぉ――っ!」  抑えきれなくなった全ての感情を吐き出すように上げた叫喚。それに重なり、出港の警笛が鳴り響く。 《完》  
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