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悔し紛れに少し俯いたところで、眼鏡の男キセの声が響く。
彼はドローンの端にバッグから取り出した四角い端末つきのプラグを繋ぐと、確信したように言った。
「やっぱり、このドローンは鬼に僕らの居場所を知らせるものだったみたいだ。発信地は、と――」
端末から更に接続されたタブレットのキーボードに何かを打ち込む。
少しすると画面に表示されたそれを見て、キセは眉を聳やかせる。
「旧品川区……、区外だ」
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