511人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、あんた!」
彼女は頭を抱えたままちらっと俺を見た。だがすぐに視線を逸らして、時折しゃくり上げながら独り言のように呟く。
「なんで、なんでこんなことになってんの? 訳わかんないよ……」
訳が分からないのは俺だってそうだ。だけど、今、姿を隠さないとやばいことは明確だった。
「俺だって訳分かんねーよ。けどこんな目につく場所にいたら、すぐ鬼に見つかっちまう。そしたらあんたの大切な奴だって巻き込まれんだぞ!?」
最初のコメントを投稿しよう!