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『大切な奴』その一言に、彼女の両目は、はっと見開かれる。
「私の、大切な……?」
「そうだ!」と答えた俺の頭によぎったのは、先刻の、巨大モニターに映し出されたヒカリの姿。
「カケル! 早く逃げないと時間が!」
後を追いかけてきたMの、急かし声が届く。
鬼が放たれるまで、後、四十分はある。だからといって、ゆっくりとしてられないのも事実だ。
「分かってる。行こう」
どうするかなんて、最終的には自分で決めるしかないんだ。彼女に背を向けその場を離れようとした時、
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