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「待って!」
「私も一緒に……」手、足、声を震わせ、壁づたいに立ち上がり彼女は言った。こちらを見据える眼差しには、恐怖の中にも、現状を受け入れたとも思える力強さが窺えた。
初めは俺とMの二人だけだった為、大通り沿いに北を目指そうと考えていたが、人数が増えるとなると話は別だ。
人数が増えると、その分目立ち易くなる。なら大通りを避けて行動した方がいい。
「なら、こっちへ行こう」
ビルの間の枝分かれした細道を通り北に向かうことにした。
鬼が放たれるまでの残り時間、およそ四十分。
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