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もう、一時間経ったのか?
ポケットからスマートフォンを取り出し画面を開くと、そこにはこう書かれていた。
『一時間経過。街中に鬼を放ちました。皆様、頑張って逃げてください』
てことは、さっきヘリでやって来たのが鬼か。
「どうする!?」
焦りを帯びたMの問いかけに、俺は再度思考する。進行方向に鬼が放たれたってことは、遭遇する可能性も高くなる訳だ。
俺は来た道を振り返る。すると、元いた場所でも同じようにヘリがホバリングしていた。
埃っぽい空気を巻き上げる二機のヘリは、四角い箱をひとつ地面に落とすと旋回し去っていった。
挟み撃ち。つまり、戻っても鬼と遭遇するってことだ。
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