鬼の正体

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   あれから約一時間。雑居ビル内の一角に籠城した俺たちは、今しばらく、そう外が暗くなるのを待ちそれから行動を起こすことにした。 「兎に角、鬼をなんとかしないと」  けれど、どうやって?  鬼には、こっちの位置状況はほぼ筒抜けだ。何か策でも練らなければ高確率でやられる。  考えを巡らせていた時、再び、マナーモードにしておいたスマートフォンが震動する。  見ると、ついさっき目にしたばかりの『粛清タイム』の文字。また、誰かが捕まったんだ。  気づけば、俺以外は皆、タブレットの前に集まっていた。少し遅れて、俺も眼鏡のタブレットを覗き込む。  
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