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ピリリリリリリリ
けたたましい音が部屋に鳴り響く。
ん……
もうこんな時間か。
眠い目を一生懸命擦り、何とか身体を起こす。
最近仕事が忙しいせいかまったく疲れが取れない。
歳かしら?
まだ28なんだけど。
職場の若い子たちのフレッシュさを目の当たりにすると私、年取ったなと実感する。
「よっこらしょ」
重たい身体をゆっくり起こすと大きく背伸びをしてカーテンを開けた。キラキラと輝く太陽が目に染みる。
いつものように扉を開け、リビングのテレビをつける。
朝ごはん、何食べようかなぁ。
なんて呑気なことを考えていたら急に昨日の出来事がフラッシュバックする。
あ、隣にはアイツがいるんだ。
まだ…起きてないよね?
物音ひとつしないアイツが寝ているであろう部屋。
パジャマにぼさぼさの髪の毛という
なんとも典型的な寝起き姿の私。
絶対に会いたくない。
特にこんな姿で会ったら何言われるか…
想像しただけでイライラしてきた!
「なんだ、起きてたのか」
突然響く低く落ち着いた声。
その声の主は私が思っていた場所とは全く別のところから現れた。
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