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「わっ、なんでそんなとこ…………って、え!!!?」
思わず両目を塞ぐ。やだやだ、ありえない。こんな朝っぱらから。
「そんな目を塞がなくても…煩いな」
面倒くさそうな彼の表情が目を瞑っていてもわかる。
「な、なんで服着てないのよ!!変態」
彼はバスタオルを腰に巻いただけの状態でリビングの入り口に立っていたのだ。
「シャワー浴びてたんだから仕方ないだろ?」
「いや、そうかもしれないけど!」
朝からこんなの私には刺激が強すぎる。
真っ暗だった私の視界が突然ぱっと明るくなった。
引きはがされた私の手。
目の前にはオールバックの男。
ポタポタとしたたり落ちる滴。
ふんわりと香るシャンプーのにおい。
整った綺麗な顔がすぐそこにあった。
私を捉えて離さないその漆黒の瞳に心臓が不覚にもドクドクと大きな音を立てる。
ふん、と鼻を鳴らし、男はニヤリと笑う。
「おもしろいな。お前」
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