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1か月半に及ぶ訓練が終わり、図書基地に向かう途中で事件は起こった
こころ「郁ちゃん、何かあった?」
笠原「ん?何にもないよ!」
ここ最近明らかに様子がおかしい。特に堂上教官とギクシャクしてるように見える
玄田「で、タスクフォースの訓練はどうだった?新人!」
手塚「大変、勉強になりました」
さすが手塚っち。優等生の回答
そんな中郁ちゃんが勢い良く手を上げた。
笠原「あの!図書防衛って基本市街戦じゃないですか?どうして野営訓練まで?」
玄田「気分だな!」
そう言った瞬間、車内は笑いに包まれた。
進藤「あらゆる想定に備えてとか、他に言い方あるじゃないですか!」
玄田「あぁそうだなぁ!」
…玄田隊長に聞くのは、間違いだった。まともな答えが返ってくるはずがない。タスクフォースはもっとお堅いイメージがあったが、そういう訳でもなさそうなのは、この集中訓練でわかった
そんな時だった
こころ「検閲...」
私は信号待ちしている車両から、大きな本屋が検閲にあっているのを見つけた。
進藤「ありゃあ派手にやってるなぁ」
手塚「品揃えが良くてマークされたんでしょうか」
進藤「いや、市民からの通報って場合もあるぞ」
あんなに大きい書店なら狙われるのも当然
笠原「止めなくていいんですか」
こころ「は?」
笠原「見計らいの権限があるじゃないですか」
郁ちゃんの言葉に玄田隊長が答えた
玄田「あれはただの図書の買い上げ制度だ。かち合ったんならともかく、検閲を妨害する真似はできん。図書隊の権限は図書館を守るためのもの、考えもせずに乱用してみろ。そんなことしたら交戦規定が崩壊しかねない。」
玄田隊長の言葉に隊員がはいっと返事をした
図書隊は正義の味方じゃない
その言葉は図書隊に入ってから聞かされたし、自分の中でも納得したつもりだった
郁ちゃんはただ検閲されている書店を見つめていた
青信号に変わり車両が動き出した途端、郁ちゃんは思いがけない行動に出た
こころ「郁ちゃん?!」
郁ちゃんが車両から飛び出して走っていったのだ。目的はただ1つ
私も郁ちゃんを追いかけて車両から飛び出した
郁ちゃんが書店に入った時、私はまったく追い付けてなかった。インターハイに出るほどの実力を持った郁ちゃんに追い付ける訳がない
私はやっとの思いで、書店にたどり着いた
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