二.図書館は資料提供の自由を有する

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柴崎「今日は大変だったのね~」 こころ「まあ 結果オーライ?」 笠原「あたしのせいで...こころごめん」 萩花「てか、それよりも郁ちゃんクマ殴るとか最高すぎる!!!」 無事に帰寮し今までの出来事を話しても、やっぱり郁ちゃんがクマを殴ったという話になる 柴崎「普通クマ殴る?!女がー?!」 笠原「ダミーだよ!」 柴崎「ダミーだとしても、クマだと認識して殴ったってことでしょ。面白すぎる」 麻ちゃんと萩は案の定ツボに入り、ずっと笑い転げている 笠原「こころなんか最初クマだと認識せずに寝ようとしたらしいじゃない!」 こころ「だとしても、殴ろうとは思わなかった」 柴崎「こころや手塚が普通よ。もっと女の子らしく反応できなかったの?」 こころ「いきなり殴ったってことは倒す気でいたんでしょ。さすがだね」 萩花「あり得ないよね、人として。人類として」 次々に浴びられる痛いことばに郁ちゃんは何も返せなかった 柴崎「まあ2人とも1か月半よく頑張ったわね、偉いじゃん」 麻ちゃんが珍しく誉めてくれたので、郁ちゃんはすぐに機嫌が良くなった、単純すぎる こころ「あ、私達がいない間何かあった?」 柴崎「2週間前に館長が入院した」 笠原「え、とうとう?どっか悪かったんでしょ」 こころ「潰瘍だかポリープだかで、薬飲んでたもんね」 食後に大量の薬を飲む姿はある意味一種の名物だった 萩花「それでしばらく入院なんだけど、館長代理が行政派から派遣されて、それがちょっと問題なの」 図書隊は原則と独立性を重視する稲嶺司令中心の原則派と、図書館を行政のコントロール下に置くべきだという行政派がある。この2つの派閥は長く争いを続けている 柴崎「早く館長が復帰してくれたらいいんだけど」 柴崎がこれまた珍しくため息をついた こころ「どういう問題があるの」 柴崎「教育委員会の言いなりね。望ましくない図書を外せだの」 笠原「何それー?!意味わかんない!」 こころ「ねじ込んできたみたい」 今回の人事はなかなか面倒なことになっているらしい 柴崎「第一図書館の館内業務に就くでしょ?」 萩花「実物見て判断するといいよ」 こころ「...何で他部署のスケジュールまで」 笠原「どっから情報仕入れてるの」 柴崎「ちょっとした趣味よ」 麻ちゃんと萩花は悪びれず笑った
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