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「好きよ。悪い?
全部あげちゃうって決めてきたくらいなんだから。
よ、喜んでよね」
何て可愛らしくない答え。
でも、そんな言葉でもこいつだけは喜んでくれるんだ。
そしてもう一度唇をしっかりと重ね合わせた。
一カ月ぶりに味わう甘さに、無我夢中になっていたと思う。
夢心地に浸っていた私の意識はさらに夢を見たのかもしれない。
そんな呟きが結城から聞こえた。
「なぁ。俺の事、いい加減名前で呼べよ。
お前もいつか「結城」になるんだからさ」
って。
本当に小さな小さな声だったから、私の妄想だったのかもしれない。
でも、結城とならいつかそうなりたいってずっと思っているから。
それが私の新しい人生の新しい目標だ。
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