第3話

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「今日はさ、お兄さんにも楽しんでもらおうと思って。だから、無茶はしないよ」  少年の唇が私の首から離れる。しかし、彼の手はいつの間にか私のシャツのボタンを外し、その唇が私の鎖骨をなぞり、そしてゆっくりと腹のほうへと降りていく。  ぞくぞくとした感触。  それは、ひどく甘かった。 「……放せ」  それでも、必死に私は最後の自制心を引っ張り出してきて言った。それは囁く程度の大きさにしかならなかった。  そして、突然頭の中に弾けた記憶。  忘れていた記憶が、戻る感触。それはまるで頭の中で光が弾けたようだった。 「お、前……っ」  あの時の、と言いかけて私は唇を噛んだ。少年の手が、私の股間へと降りたからだ。ズボンの上からそこを撫でられ、急に思考能力が停止した。  何が起きてるんだ?  一体、何を?  私が少年を見つめていると、私のそれを撫でながら彼はそっと笑った。 「……男とヤったことないでしょ、お兄さん」  彼の唇が歪むように笑うのが見えて。私は慌てて彼の手を振り払った。しかし、すぐに私の手首を掴んで逃がさないようにと力を込めてくる。 「結構、気持ちいいと思うよ。俺、上手いから」  何が上手いのか、と怖くなった。何をされるのか解らない、というか解りたくなかったのだ。  はだけた俺の腹に、彼の唇が這う。そろり、と彼の舌が腹の上をなぞり、私はその感触に身を震わせた。  まずい。  何とかしなくては。  そう思っても力が入らない。  ちょうど臍の下辺りで、また小さな痛みが走る。それと同時に、こらえられない快感も。私は喉をのけぞらせた。必死に唇を噛みしめ、声を上げないようにする。そして、今の自分の顔を彼に見せないようにと。 「……っ」  唇の間から吐息が漏れる。どうしたらいいのか解らないうちに、彼の手が私のズボンの前を開けて、その中に滑り込む。やわやわとくすぐられるように触れられて、私は首を振った。 「や、やめ」  自分でも認めたくなかった。私のそれは、彼が少し触れただけでもゆっくりと勃ち上がっていこうとしている。少年がそれを見て嬉しそうに笑ったのが解る。途端、この場から逃げ出したくなる。いくらなんでも、男にこんなことをされて感じている自分が情けなかった。
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