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「……ヒロ兄ちゃんの部屋からタバコの匂いがする」
中学三年生の優希<ユウキ>は、隣に住む二十歳になった幼なじみの宏海<ヒロミ>の部屋に入るなりそう言った。
お互い一人っ子で、小さい頃からまるで兄妹のように遊び育ってきて、小さい頃はよく二人で遊んだものだ。
しかし兄妹ではない。
宏海が小学生のうちは良かったが、中学や高校に上がると部活などで忙しくもなってきて、優希も小学生にあがると友人も増え、宏海が相手にしなくても良くなった事もあり自然と優希と宏海は合う回数は年齢が上がるにつれ減った。
だが受験生となった優希は、宏海の母親に「うちの宏海に教えて貰ったら?一応大学生なんだし」と言われ、最近はその為に隣に訪れる事が前のように増えてきていた。
自分と五歳上のヒロ兄ちゃんの方が早く大人にもなるし、先月に行われた二十歳のお祝いにも優希家族も呼ばれた。その時は二十歳になったからと言って何かが変わるわけじゃないし。と冷めた態度で思っていた。
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