大人の味

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「マジで勉強教わる態度じゃねぇ」 宏海はそう言いながらもその向かいに座ると、ふわっと服についていたのであろうタバコの匂いが優希の鼻腔をかすめて思わず尋ねた。 「ねぇ、いつからタバコ吸うようになったの?」 「へ?あぁ……少し前からかな」 その問いに答えたものの何でタバコを吸い始めた事がわかったのか理解できてなく首をかしげるように答えた。 「何で?」 宏海が何で分かったんだ?って顔をしてる事には優希は気が付いていたが、それをあえて無視して質問を続けた。 「かっこつけたいからに決まってるだろ」 それにはドヤ顔を決めて言う宏海にそういえばこういう奴だったと優希は思い出した。 モテたいと言う理由で、女子から人気のあるバスケ部に入ったりギターを始めてバンドを組んだりし、とにかく好きな子がかっこいいと言ったことをやりアピールしようとする。 しかし宏海は不器用でどれも上手くこなすことが出来ず、動機も不純なだけに、ひたむきに頑張るほどの熱意や根性も無いため色々やるが結果的に中途半端で、全然かっこよく見えない。むしろかっこ悪い。 そのせいか未だ彼女いない歴イコール年齢だ。
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