大人の味

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細身で長身。コンビニに行くだけでも髪の毛をセットしている位身なりには気を使い容姿は良いほうで、むしろ友人から「黙ってればイケメン」と言われている。 つまりモテたいと思ってやることなすことが見事に足を引っ張っていて、本人は全く気が付いていない為醜態をさらし続ける。ただの馬鹿だと優希は常々思っていた。 「ハイハイ。かっこいい」 今は嫌煙する女性も多い。 十代で少し悪ぶるの感じはかっこいいと思うけど、法律をキチンと守り二十歳になるまでタバコを吸わなかったのは逆にダサい。なんならヒロ兄ちゃんはタバコを吸わない方が爽やかな印象が際立ってかっこよく見えそうなのに。 どうもヒロ兄ちゃんのやることは裏目に出てる。 そう思いながら優希はいつもの調子で少し小馬鹿にしたような適当な返事をしたが、ヒロ兄ちゃんらしいなとわからない様に僅かに笑みを零した。 「お前それ絶対思ってないだろ」 「思ってる思ってる。ねぇ、いいから早く始めよ。ここわかんないんだけど教えて」 たしなめるように言われた言葉を聞き流し、話も終わらせようと本来の目的を果たそうとし、持ってきた教科書を開いて座った。 宏海はぶ然としない様子だがページをのぞき込み「あぁこれは……」と隣に座り説明を始めた。
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