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「とは言ったものの…」
智樹は困っていた。
二人の前では、年長者としてしっかりしなければという責任感から冷静に指示を出したが、内心パニックだったのである。
「ここが天国じゃないのなら、この先、どうしていけばいいんだ?開発中のゲームのデータもそのまま、実況だって見たい。ああ。なんてこった」
船の二階は、個室が五つ、船長室だろうか、他の部屋より少しばかり豪華な部屋が一つあるのみだった。
船長室に入った智樹は、机の上にポツンと置かれた鍵を見つけた。
「ん?どこの鍵だ?船長室にあるんだ。大事なところがあるのか?」
ゲーム付きの智樹は少しテンションが上がるのであった。
「にしても、こざっぱりした船だな。」
目立って不思議なところがあるわけでもないし
、三人以外に人がいる気配もしない。この船は、本当にどこに向かっているんだろうと頭をひねる智樹。
しばらくして、考えてもきりがないと、三人集まったら考えようと、手に入れた鍵を握りしめ、智樹は共有スペースへ戻るのであった。
こうして、三人の探索は、少しの手柄をそれぞれ持ち寄る形で終了した。
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