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「健吾、話はここまで。 瑞希さんはさっき意識が戻ったばっかだし、美月だって足をくじいてるんだし、積もる話はまた今度にしよう」 有無を言わせない物言いに、健吾はなにか言いたげな顔でミヤサカを見た。 けれど、少しして納得したのか、「そうだな」と頷く。 「ここじゃゆっくり話もできないし、とりあえあず帰るか。 ってか浩二、俺がこっちいる間に実家顔出せよ」 「あぁ」 ミヤサカはあまり気乗りしないようだが、了承した。 軽く目を伏せる彼から、健吾は美月に目を移す。 「いくぞ、美月」 「うん」 健吾が美月に腕を差し出した。 美月の表情は目に見えるほど柔らかくなり、健吾の腕に手を置いてこちらを振り向く。
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