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喉まで出かけた言葉を飲み込んだのは、瑞希は夜のことに過敏だったと思い出したからだ。 自分はそんなつもりはないけれど、彼女が少しでも身構えたなら、せっかく縮まった距離がまた開いてしまう。 それはどうしても避けたい。 プロポーズを了承してもらった時は、思い出すと無意識に笑ってしまうくらい嬉しかった。 だから彼女に嫌われないように、ずっと傍にいてもらえるように、細心の注意を払わなければ。 その日、夜遅くに健吾からメールがきた。 近いうちに実家に顔を出せとの文章に、浩二はスマホから視線を外して天井を仰ぐ。 さっきは同じことを言われた時は、あの場を逃れるために頷いた。 けれど、正直会いたくない。 健吾は瑞希を見て、なにか気付いたかもしれなかった。 時間がほしい。 なにを言われても揺るがない心でなければ、健吾に秘めていたすべてを見透かされてしまう気がした。
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