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*** 締め切った病室はしんと静まり返っていた。 瞳を捉えられた瑞希は、ミヤサカと向き合ったまま身じろぎもできない。 自分の鼓動と、彼の息遣いだけを感じる中、耳の奥でさっきの言葉が響いた。 (……本当、なんで今なの……) 結婚してくれないか、なんて、こっちはほとんど頭がまわっていないいうのに、反応なんてできるわけがない。 安いドラマじゃあるまいしと思うのに、彼がとても真剣なのが伝わるから、瑞希は自然と目頭が熱くなった。 今返事をする必要なんてない。 だけど、家に持ち帰って考えたとしても、きっと出す答えは同じだ。 瑞希はかすかに笑って頷いた。 後でこんな場所でプロポーズしたことを責めれば、ミヤサカは平謝りするに違いない。 その時にわざとむくれて、わがままをひとつ聞いてもらおう。 プロポーズが嬉しかったことは、照れくさくてきっと言えないのだから。
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