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オフィスに入ってすぐ、原田が詰め寄った。 「昨日は急になんだったんだよ、説明しろよなぁ!」 浩二は抜けたことを謝り、「急用」とだけ話した。 「はぁぁ? 急用ってなんだよ、急用って!」 原田は納得していなかったけど、まだ瑞希と仲を公表するか話し合っていないから、はっきりは言えない。 だいたい女がらみの話は、原田に話せば長くなる。 今は遅れた仕事が優先だと、適当にあしらった。 それから数時間後、仕事の合間に瑞希にメッセージを送った。 『体はどう?』 バタバタしていて凝った文章が思いつかず、結局一文になってしまった。 瑞希から返事が届いたのはさらに数時間後で、彼女のメッセージも、心配かけた詫びと、体は大丈夫だという簡素なものだった。
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