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(土曜か……) 週末は瑞希と出かける約束をしていた。 けど、土日どちらかはまだ決めていなかったし、事故があったからその約束もどうなるかわからない。 浩二はしばらく悩んで、『いいよ。夕方までなら』と了承した。 『ありがとう! なら待ち合わせはお昼に新宿駅でもいい? お昼ごはんはごちそうするね!』 『あぁ。じゃ土曜日に』 やりとりを終え、電車を降りると、無意識に大きなため息が漏れた。 前に出かけた時も、嬉しさと切なさ、後ろめたさがないまぜになったけれど、今は罪悪感が二倍になってのしかかる。 (……瑞希にも健吾にも後ろめたいのに、いったいなにしてるんだろ……) それでも美月に頼られれば断れない自分に、浩二は自己嫌悪を覚えながら改札へ続く階段をあがった。
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