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迎えた土曜日は、朝から雲一つない晴天だった。 夏の東京は亜熱帯のように暑い。 浩二は待ち合わせ場所に向かいながら、重い気持ちと共に汗を拭った。 西口の改札を抜けると、すぐに声がした。 「浩二くん!」 美月は嬉しそうに手をあげて、自分の居場所を示す。 屈託のないこの笑顔を見ると、どれだけ気分が落ち込んでいても、つられて微笑んでしまうから不思議だ。 「おはよ、美月」 「おはよって、もうお昼だよー。 さっきまで寝てたの?」 呆れたような美月に、浩二は「しかたねーだろ」と肩をすくめる。 「昨日も遅かったんだよ。 それで、健吾は昨日中国帰ったの?」 「うん、週明けからまたいろいろと忙しくなるから、準備しときたいんだって。 私は今日どうしても友達と会いたいって言って残ったんだけど、夜のフライトで中国に帰るね」
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