第7章

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「セルアくんっ!大丈夫っ!?」 コーキが転移させてくれたところに居たリルが駆け寄ってきて治癒魔法をかけてくれた。 「うん…大丈夫だよ、リル。」 レオンは大した事はなかったのか既に立ち上がっているが動こうとはしない。 むしろ何処か悔しそうな顔をして動かずにいる。 「レオン?」 「油断してしまっていた…」 「え?」 「ちゃんと警戒していれば対処出来ない速さじゃ無かった。でも油断していたせいでやられてしまった…あれが殺意を持った相手との戦闘なら俺は死んでいた…俺はまだまだだな…」 あのレオンがここまで自分の事を揶揄しているのは始めて目にする場面だった。 レオンがこれだけ悔やんで居るなかで俺は自分に魔力が尽きているのだから仕方ないと言い訳をしてしまっていた。 そんな自分が嫌になって俯こうとした時に目の前にコーキの使い魔のファズとレオンの使い魔のルクスが現れて結界を張った。 「ルクス…」 レオンが名前を呼んだがルクスはレオンに見向きもしなかった。 ~コーキside セルアを3人の所に強制転移させてセルアに攻撃した生徒に向き直るとその生徒は下卑た笑みを浮かべていた。 この学校では決闘や授業以外での生徒同士の戦闘を禁止しているため時間を稼げばどのみちあの生徒は教員によって捕縛されるだろう。 だがあの邪力と言うもののせいなのか教員は囲んでは居るが他の生徒の避難を優先しているようだ。 (ファズ、それにルクス。あの4人の所に行って結界を張ってくれないかな?) (…我に命令するつもりか?小僧。) ファズは黙って頷いてくれたがルクスはそうは行かなかった。 (これは命令じゃなくてお願いだよ、ルクス。レオンが吹き飛ばされてたのはちょっと驚いたけどまだ見放した訳では無いんでしょ?) (…それがどうした。) (あいつは俺を狙ってるみたいだしルクスは俺がなんなのか知りたいんだよね?) (何が言いたい。) (あの4人の所で結界を張って居た方が楽が出来る上に俺の観察もゆっくりできて良いんじゃないかな?) (…まぁ良い、今回だけは素直にその頼みを聞いてやる。) (お願いね、2人とも。) そこでルクスは念話を切って2人は4人の所に転移していった。
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