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カチャ、カチャ、
カチャ、カチャ、
カチャ、カチャ、
コトン。
ようやく、仕上がった
待ち侘びていた
この瞬間を――
芳しいキリマンジャロの薫り
誰に飲ませようか、長い事考えていた
尊敬する上司
親友だったあいつ
闘病中の母さん
時々やってくる姉さん
全員に飲ませたい
だがそれはどんなに考えても無理だから
やはり、自分で飲むのが一番良いだろう
コーヒーは無糖に限る
――良い薫りだ
口角が上がるのを抑えきれない
ああ――――、これで。
ごく、ごく、ごく、ごく、ごく、
ゴクリ。
……やだなぁ
涙なんか大袈裟だ
あとは眠るだけ。
おやすみなさい
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