第1章

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カチャ、カチャ、 カチャ、カチャ、 カチャ、カチャ、 コトン。 ようやく、仕上がった 待ち侘びていた この瞬間を―― 芳しいキリマンジャロの薫り 誰に飲ませようか、長い事考えていた 尊敬する上司 親友だったあいつ 闘病中の母さん 時々やってくる姉さん 全員に飲ませたい だがそれはどんなに考えても無理だから やはり、自分で飲むのが一番良いだろう コーヒーは無糖に限る ――良い薫りだ 口角が上がるのを抑えきれない ああ――――、これで。 ごく、ごく、ごく、ごく、ごく、 ゴクリ。 ……やだなぁ 涙なんか大袈裟だ あとは眠るだけ。 おやすみなさい
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