sideR

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「今日は11時から例の新規のNISって会社と打ち合わせよ。こっちに来てくれることになってるわ。会議室は第三を使ってね。…午後からは社長に同行することになってるわ」 俺が居住まいを正したため、片平さんもそれに倣って脇に置いていたノートを手にとってすらすらと読み上げた。 「分かりました。いつもありがとうございます」 いつも同じように、返事をして謝辞を述べる。 「梶くんは上の人間に向いてるわね」 不意にそんなことを言われると、少しだけくすぐったい気持ちになる。 言われて悪い気はしないが、まだ人材を育てたりとかそういうことは出来ないので、申し訳なさも手伝っての丁寧な謝辞だ。 自分では、まだそこまでは思いきれない。 「…そうですか?俺はまだまだだと思いますけど……片平さん、遅刻してきてアレなんですが……」 それよりも、腹が減って仕方がない。
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