sideR

14/18

736人が本棚に入れています
本棚に追加
/403ページ
「はい、お願いします」 忙しなく動く彼女の後ろ姿を見送って、俺は自分の椅子に腰をおろした。 NISからの依頼はイベントの企画進行の手伝いと、会場の設営だった。 俺はコーヒーを口元に運びながら、これから使う会議の資料にもう一度目を通した。 一応、幾つかのプランを用意して提案できるようにはしてある。 本来なら、こういうのはもう俺の仕事ではないのだが、先方から何故か名指しで指名されたため、企画課から引き継いだのだ。 タイミングが悪く電話の度にすれ違い、先方の担当と直接会うのも話すのも今日がはじめてになる。 だから俺が知っているのは、佐野さんという名前と女性だということだけだ。 「それにしてもなんで俺なんだろ?」
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

736人が本棚に入れています
本棚に追加