sideR

16/18

736人が本棚に入れています
本棚に追加
/403ページ
「分かった、今から向かいます」 通話を切ると俺は階段へと足を向けた。 第三会議室は一階下の4階にある。 普段あまり使うことはないが、エレベーターを待つよりこちらの方が早いと判断してのことだった。 誰もいない階段も、降り立った4階のフロアもひっそりとしていて、コツコツと硬質な靴音が響く。 会議室の前まで来て、もう一度ネクタイを直す。 軽くノックしてから俺はゆっくりと扉を開けた。 「片平さん、もうすぐ上がって来られるますので」 俺の声に振り返った彼女は、さっきとは打って変わってきりりと答えた。 「はい、分かりました。もう準備は出来てますのでエレベーターの前までお迎えに行ってきます」 「お願いします」
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

736人が本棚に入れています
本棚に追加