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よく考えれば、あまり時間はない。
今日は昼に、沙耶ちゃんが来る。
彼女は一年前に嶋田と結婚していて、今は妊娠8ヶ月の妊婦さんだったりする。
仕事量も妊娠が発覚した直後からセーブしているため、暇をもて余してはよくこのうちに来ていた。
12時頃来ると言っていたから、掃除して、洗濯を干して昼食の支度をしてギリギリかな、などと本日の段取りを頭の中で組み立てていたら、来客を知らせる音が響いた。
何かの荷物だろうか。
時間のない陵介がネットでよく買い物しているからてっきり宅配業者かと思って、無愛想に返事をした。
「はい」
「とーるくん、開けて~」
すると、予想外の声が聞こえてきて俺は困惑の声をあげた。
「えっ、あ?…沙耶ちゃんちょっと……」
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