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◇◇◇◇
カーテンの隙間からこぼれる淡い陽光に、深く沈んでいた意識が一気に浮上する。
同時に。
俺を抱き枕のごとく、抱き込んでいる腕のせいで身動きが出来ないことに気付く。
昨日は久しぶりに同じ時間にベッドに入れたから、じゃれつくように降りてくる相沢の唇が心地よくて。
「あ……」
そのまま、寝てしまったことを思い出す。
微かに沸く罪悪感に思わず声が溢れる。
「…起きるの?陵ちゃん」
寝起き特有の、少し掠れた相沢の声。
密かに好きだったりするが、調子に乗るから絶対に教えはしないけれど。
唯一自由になる顔をほんの少しだけ上向けると、まだ眠たげに瞼を半分ほどおろしたままの瞳とぶつかった。
「…悪い、起こしたか?」
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