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それこそ、惚れた欲目なのかもそれないけれど。
…声に出したら、陵介のカレーが無性に食べたくなってきた。
あの日、陵介の部屋で過ごしたあの時間がなかったら今の俺はここには居なくて。
当たり障りのないメニューを選んで作ってくれたんだろうけど、やっぱり俺には特別で、それ以来、一番好きな食べ物はカレーになったくらいだ。
「りょうちゃんのカレー、私食べたことないのよね。そんなに美味しい?」
沙耶ちゃんが、羨望の声をあげる。
…そっか、実家では陵介は料理しないのか。
前に住んでたアパートには人はほとんど呼ばないと言っていたから、あの味を知っているのはもしかしたら俺だけなのかもしれない。
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