sideT

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「りょうちゃんはそうね~、言わないかもね~。でもいっつも人のことばっかり考えてるのよ。それで時々爆弾落としていくから、私兄弟じゃなかったら絶対落ちるなぁってよく思ってたもの」 沙耶ちゃんは懐かしむように笑って、俺も釣られるように笑った。 「そうそう、俺もそれで堕ちちゃったもん。って沙耶ちゃんそんなこと思ってたの?」 確かにこの兄弟の絆はすごいと思う。 双子だと言うのももちろんあるのだろうが、陵介の沙耶ちゃんを想う気持ちには、恋愛感情じゃないと分かっていても嫉妬してまいそうになる。 「りょうちゃん、私には底無しに優しかったから。基本人には優しいのよ。とーるくんにも優しいでしょ?」 俺の声に眉を下げて笑うと、ハーブティーを口許に運んだ。
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