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「…前から思ってたけど…お前の美的感覚って変だよな」
にこにこ笑ってそんなことを言う相沢に俺は大きなため息をついた。
だってそうだろ?
28にもなる男を捕まえてかわいいとか。
だいたいからして、公衆の面前で「あーん」なんてされたら俺じゃなくても恥ずかしいと思うのは、気のせいじゃないはずだ。
「えー、そうかなぁ」
自覚のない相沢が心外だと言わんばかりに、うーんと唸る。
「そうだよ…」
赤くなった自覚はあるが、こんなのはかわいいなんて部類には入らないはずだ。
俺が額を押さえて眉間にシワを寄せると、相沢がクスクスと笑い声をこぼした。
「なんだよ…?」
笑うところじゃなかったはずだ。
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