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走り出した車の、フロントガラスの先を見つめながら相沢がそんなことを言った。
…なんでそんな発想になるんだ。
さっきまで焼きもち妬いてた癖に。
「…なんでだよ…。あいつは俺の頭痛の種だ」
「でもそれで俺と居たいって思ってくれるなら、ねぇ?」
それは少し違う。
いつもは言葉にしないだけで。
何もなくても、一緒に居たいと思っている。
調子に乗りそうだし、恥ずかしくて死にそうだから普段は言わないだけで。
「…棗は関係ねぇよ。…それより酒って買い置きあったか?」
とりあえず小さく否定の言葉だけ入れて、俺は話題を変えた。
ストックルームの酒もそろそろ買い足さなければなかったはずだ。
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