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相沢の声が赤くなった耳の先を掠めていく。
「…っ」
ぞくんと震える背中に、気づかれただろうか。
時間さえあれば、もっと触れていたいと思っているのは俺の方なのに。
だから。
そんな声で、戯れるような指先で。
煽らないで欲しい。
短く息を吐くと、クスクスと笑い声が耳許に寄せられてぐっと顎を掴まれた。
強引に、合わせられた視線の先。
「だってそんな顔、誰にも見せたくないんだけど」
言って、啄むようなキスが唇に降りてくる。
「…どんな顔だよ」
「すっごいエロい」
さっきみたいに何度も降りてくる唇に、息が触れるほど近く、相沢が囁いた。
「…アホ」
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