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当たり前にように、陵介から抗議の声が上がる。
「…分かってる。だからこれだけ」
ネクタイの結び目に指をかけ、ゆっくりとほどく。
イエスの答えが返ってくることは期待していなかったが、本音を言えばこのまま背後のベッドに押し倒してしまいたかった。
俺は苦く笑うと、襟の奥から衣擦れの音を立てたネクタイを、陵介の首から外した。
「擽ってぇよ」
俺の髪が頬に触れたせいか、陵介は緩く首を振ったが、嫌がる素振りはない。
「そう?」
気づかないフリをして首元まできっちり締められていたボタンを外すと、朝残したしるしがシャツの隙間から見えた。
「これ、チラッと見えるとなんかエロいね」
言いながら、首筋に顔を埋めて赤く残った痕に舌を這わせる。
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