sideT

9/18
前へ
/403ページ
次へ
…どうしてそういうこと言っちゃうのかな。 なくなりかけてる理性を必死でかき集めて、欲の塊を押し止めているというのに。 朝も。 その肌を触れあわせたばかりなのに、触れたい欲求が収まらない。 溺れるというのは、こういうことを言うんだろうか。 「…後で一緒にお風呂入ろうか?つまみ、用意してくる」 10代のようながっつき具合に自分でも笑ってしまう。 苦笑いと一緒に短く息を吐き出して、陵介に背を向ける。 「…着替え」 背中にぼそりと呟いた陵介の小さな声を聞き逃して、振り返る。 「え?」 間抜けな声をあげた俺の胸ぐらを掴んで陵介は、さっき以上に小さな声で囁いた。 「着替えさせてくれるんじゃなかったのかよ」
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

736人が本棚に入れています
本棚に追加