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…どうしてそういうこと言っちゃうのかな。
なくなりかけてる理性を必死でかき集めて、欲の塊を押し止めているというのに。
朝も。
その肌を触れあわせたばかりなのに、触れたい欲求が収まらない。
溺れるというのは、こういうことを言うんだろうか。
「…後で一緒にお風呂入ろうか?つまみ、用意してくる」
10代のようながっつき具合に自分でも笑ってしまう。
苦笑いと一緒に短く息を吐き出して、陵介に背を向ける。
「…着替え」
背中にぼそりと呟いた陵介の小さな声を聞き逃して、振り返る。
「え?」
間抜けな声をあげた俺の胸ぐらを掴んで陵介は、さっき以上に小さな声で囁いた。
「着替えさせてくれるんじゃなかったのかよ」
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