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落ちないように、首の後ろに手を回した陵介に笑って、そのまま背後のベッドにそっと下ろす。
「ごめん、風呂まで我慢できないや」
「な、やだって!俺、汗かいてっ…」
俺の言葉に驚いて、慌ててその身を起こそうとする陵介の手首を掴んで、柔らかい枕に押しつける。
「ほんっとごめん。その匂い、結構好きなんだよね。だから俺はこのままがいい」
身を捩ってどうにか動こうとする陵介の首筋に顔を埋めると、途端に怒声が飛んできた。
「なっ、バカかっ!」
言って、俺が押さえている手首を何とか外そうともがくから。
「……そんなに、嫌?」
問う声も、小さくなる。
「……」
「嫌なら」
「きたねぇ聞き方しやがって…」
俺の言葉に被せるようにして陵介は悔しげに唇を噛んだ。
「だってさ…」
「お前に…本気で嫌だなんて思ったことねぇよ」
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