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☆☆☆☆
「腰いてぇ。腹減った」
うっかり二人して眠ってしまって、起きたときにはもう10時を少し回っていた。
陵介は大きく伸びをして、ぐうぐう音を立てた腹を押さえた。
「軽くなんか作るよ。ちょっとだけ待っててて」
俺はちゅっと音をたてて陵介の髪に口付けると、寝室に陵介を残してキッチンに向かった。
何か言いたそうな陵介に、ほんの少しだけ後ろ髪を引かれながら。
大幅に予定が狂ってしまって、自分のしたことながら苦笑いがこぼれるばかりだ。
買い込んだ酒や食材は、適当ながらも冷蔵庫に入れておいて良かったなと胸を撫で下ろす。
「……なぁ」
冷蔵庫を物色していると、いつのまにか陵介もキッチンに来ていて俺を呼んだ。
「なぁに?陵ちゃん。あ、体…平気?」
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