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一度溶けてしまえば、陵介にもスイッチが入るのは珍しいことではなかったが、今日の陵介はいつもと少し違っていて。
ちょっと、いやかなり。
積極的だった。
元々同じ男だし、昂り方のほかにもいろいろ分かってはいるけれど、さっきの陵介はかなりレアだった。
1日20個限定とかのスイーツ並みな貴重さで。
そんな姿を見せられれば、こちらも手加減することなんて出来なくて。
結局、無理をさせるはめになってしまった。
「いてぇよ、バカ。聞くな」
言葉こそ可愛くないが、振り返ろうとした俺の背中に手が伸びて来たかと思ったら抱き締められた。
「…っ…痛いんでしょ、だったらさ」
平常を装ってみたものの、いつもの陵介と違いすぎて戸惑いに声が若干上擦ってしまう。
「なんだよ?」
対する陵介は素知らぬ顔だ。
「そんな格好で後ろから抱きつかないでよね。また襲いたくなるでしょ?」
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