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スエットの下だけを履いた陵介の胸には、幾つかの赤い痕が残っている。 肩越しに見えるそれらが、自分がつけたと分かっていても妙に艶かしく見えてしまって俺は視線を下に落とした。 「…やっぱ………だな」 陵介は、まるで俺の声など届いていないみたいに今の会話の流れとは全く関係なさそうなことをポツンと呟いた。 少し掠れたその声は、よく聞こえなくて俺は首だけ捻って聞き返した。 「え……何?」 いつもなら、俺の冗談めかした声にも反応してばっと体を離すのに今日は。 俺の背中にピタリとくっついて、顔はうなじに埋めたままだ。 「なんでもね。……したいならそうすればいいし。てかさっきまで散々見てただろ?」
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