736人が本棚に入れています
本棚に追加
やっぱり陵介はちょっと変だ。
いつもの彼ならここでデコピンのひとつでも飛んできてる。
「…そういう問題じゃないんだよ。陵ちゃん、ホントどうしたの?…痛っ!」
前に回された腕をやんわりとはずすように動くと、突然首筋に歯を立てられた。
「…もうちょっと、だけ…」
回された腕に力がこもる。
「噛むことないでしょ。痛いし……ちょ、陵ちゃんっ」
ごめんと言う代わりに、陵介の舌がさっき歯を立てた部分をなぞった。
「…なんでこんなに」
口づけたままの陵介のくぐもった声が、肩に落ちる。
「…うん?」
「ずっと触ってても足りないんだろうな」
……そんなの、俺も同じだ。
最初のコメントを投稿しよう!