sideR

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☆☆☆ あの時、あの場所で。 その後ろ姿を見つけなければ、俺はまだ誰かを愛する気持ちなんてものも、何かに真剣に打ち込もうとすることも、知らないままだったかもしれない。 だからそれは必然的な出会いだったように思う反面、悪いことをしたと思う人もいたと。 今になって思う。 「俺、大学3年の時さ、彼女が居たんだ」 好きだと言われて、特に断る理由もなく付き合った。 若かった俺は、それでいいとその時は思っていて。 深く考えることもしなかった。 「りょうちゃんモテると思うから、居ても全然不思議じゃないよ」 あの後。 軽くシャワーで流して二人して洗いたてのスウェットに袖を通した。 幾分気持ちも落ち着いたところで、相沢が作ってくれた炒飯を食べた。
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